子供のいない夫婦にありがちなのですが、相続人が兄弟姉妹のみのケースが多々あります。相続人の高齢化が進み認知症になったりすると、遺産分割手続がスムーズにいかなるなくなります。いわゆる高齢化のリスクです。
1.高齢化リスクの防止:夫婦相互遺言の作成が効果的です
相続人である兄弟姉妹がずっと元気であればいいのですが、誰でも年を取ることは避けられません。
高齢化に伴い認知症など正常な意思決定ができなくなると、後見人や特別代理人の専任などが必要になります。
そうなると遺産分割手続はうまく進まなくなります。
2.子供のいない夫婦だからこそ遺言は必要であると言えます。
各々自分が亡くなったら、相続財産の全部を配偶者に相続させるという遺言、「夫婦相互遺言」を作成することで、兄弟姉妹に相続させないようにすることができます(兄弟姉妹には遺留分はありません)。
更に遺言書の中には遺言執行者を指定する項目を入れでおきましょう。
実際に経験したのですが、高齢の相続人が配偶者と兄弟姉妹だけで、配偶者は意思能力が乏しくその他の相続人も老人施設へ入所しているケースがありました。
こうなってしまうと、手続は困難を極めます。おまけに兄弟姉妹のうち、その子供に代襲相続が生じていると更に困難さが増します。その子供の人数が増えれば尚更です。 このような事態をさけるには遺言の作成が有効です。
先のケースでも「遺言書さえあれば何とかなったのに」とつくづく感じました。