アパートを購入するときに知っておきたいこと

将来的な安定収入、投資目的のためアパートなどの収益物件が欲しいと思っている方は少なからずいらっしゃると思います。アパートを購入する際には、以下の点に留意する必要があります。

１．賃貸借契約の内容、維持管理の状態

賃貸人より賃貸借契約書を入手します。各部屋の契約期間、家賃、敷金・礼金、更新料、転貸借、特約の有無等を確認します。

現在の借家人から預かっている敷金は、オーナーが変われば新オーナーが引き継ぎ、借家人退去時に返還義務を負います。礼金は引き継がれないのが一般的です。

建物内の維持管理の状態ついて、管理会社が介入していればヒアリングを行います。

現在雨漏り、シロアリ被害等はないか、緊急を要する修繕が必要か、過去の修繕履歴についてその箇所、費用等を確認します。

今後発生するかもしれない修繕等のために、確認通知書、検査済証なども引き継ぐようにします。

ワンルームタイプの場合、需要者は学生や単身者が多く、駅に近い、買い物に便利など生活利便性が高い立地が求められます。またバス・トイレが別でない物件、収納スペースが少なすぎる物件等は需要が低調になりがちです。

ファミリータイプでは、広めのリビングのある物件は需要が高くなっているようです。また設備面で、オートロック、防犯カメラの有無、インターネット環境の有無等は需要に影響するので確認すると良いでしょう。これらの設備が不十分な場合、新たに取り付けて付加価値を上げるのもいいと思います。

折り込みチラシや広告などで「売アパート、価格〇円、利回り〇％」と表示されているものがあります。この場合の利回りは、一般に販売価格に対する年間賃料の割合（年間賃料÷販売価格）が表示されることが多いようです。

この場合の年間賃料は現在空室があるけれども、満室を想定しているのか否か確認する必要があります。

仮に空室があれとすれば、その空室分の賃料や必要経費をマイナスしてより実態に即した利回りを把握する必要があります。利回りがグロスなのかネットなのかの確認です。

利回りには、「グロス利回り」＝総収入（家賃の他賃貸人が受け取る全ての収入）÷価格、「ネット利回り」＝純収入÷価格の2つがあります。

純収入は総収入×（1－空室率）－経費で計算されます。賃貸経営では、実質的な手取り分が重要ですので、ネット利回りを十分に比較検討する必要があると思います。